おこじょさん

愛と青春の旅だちのおこじょさんのネタバレレビュー・内容・結末

愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

10代に見たらどう思ったんだろう。
爽やかな映画で終わったかな。

「愛と青春の旅立ち」という邦題は確かに当てはまってると思うけどこのタイトルに引っ張られてしまって映画の中でよく理解できなかったシーンがありました。

ラストのフォーリー軍曹との組手のシーン。シドの一件があって私の中ではてっきりリネットとポーラに焦点が当たるのかなと思いきや、急にザックがフォーリー軍曹に戦いを挑んでなぜそっちに矛先が?と思ったけど、ラストの展開と原題(士官と紳士)を見て、この映画は対ポーラというより対フォーリーを軸に置いたお話なんだなと解釈しました。
その上で組手のシーンは、特別に目をかけて、親友を失ったばかりの教え子に対する同情とはなむけなんだなと捉えるととっても泣ける…(T-T)

登場シーンからフォーリー軍曹の人物の描き方が絶妙で、血も涙もない鬼教官と思いきや、もしかしたらいい人なのかも…?、いやそんな事ない、やっぱりいい人だったー!とストーリーが進むにつれて徐々に知れていく展開に引き込まれていくし、フォーリーだけでなく登場人物が多い中でそれぞれの人物像と背景がわかりやすく、共感できる部分が沢山あった。

士官学校の候補生という在学中も卒業後も身の安全が保証されるとは限らない特殊な環境の中だからこそ、厳しい訓練に耐える仲間との絆や、束の間のポーラとの癒しの時間が際立って、見ている方も自分が本当にこの先求めているものは何なのかと問われている気がしてくる。

全ての要素がバランスよく詰まっていただけにラストは少し渋滞したような気もするけど、自分のこれからの人生を考えるきっかけになる映画。感動しました。