浅野公喜

ジャグラー/ニューヨーク25時の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.7
娘を誘拐された元刑事の男がNY内を走り回るサスペンスアクション。冒頭の目玉焼きやソーセージで人間の顔を描き真ん中にケチャップ瓶を突き立てる所から誘拐犯の異常性を見事に描いています。

序盤に用意されたカーチェイスから迫力満点で、その後も主人公に恨みを持つかつての同僚がマンハッタンのおそらくど真ん中でショットガンを撃つ、警察だけでなく「ウォリアーズ」よろしくなプエルトリコ系ギャングに追い掛けられたりと終始エネルギッシュな映像が続き、隙あらば群がって盗みを働く黒人達含む人種のるつぼNYらしい個性的な人々、食パンみたいな形のイエローキャブ(チェッカー・キャブ)、ホットドッグの屋台落書きだらけの電車にのぞき部屋、瓦礫だらけのスラム街と、治安が悪かった時代のNYならではの光景が作品により熱気をもたらしています。放置されたような誘拐犯の最後は消化不足にも感じましたが、全体的には満足の作品でした。

主人公演じるジェームズ・ブローリンが両手でマンハッタンのビル群を裂いているような本国版のポスターは「クロコダイル・ダンディー」のそれっぽく少し見えます。
浅野公喜

浅野公喜