イロカワ

チャイナ・シンドロームのイロカワのレビュー・感想・評価

チャイナ・シンドローム(1979年製作の映画)
5.0
 1979年に作られたこの映画。アメリカのとある州の原発に事故が起こり、メルトダウン寸前まで炉心が熱を発してしまう。何とかその場は切り抜けたが、電力会社はその事を隠そうとする。そうは問屋がおろさない。記者たちはこぞってその事を暴露しようとする。
 主人公は仲間を裏切り事実を公表するか、原発の危険性を黙秘するか、その選択を迫られる。立ち向かうのはヒーローでも何でもないただの冴えないおっさんだ。普通に信念も揺らぐし、自分の将来と原発の危険を天秤にかけて自分を選んでしまう弱さもある。
 それでも、そんな彼でも最後には正しい事の為に自らを省みず戦う事を選ぶ。彼一人が背負うことなんてないのに。でも福島だって本質はそこにあると思う。あらゆる事を現場に背負わせること。福島フィフティとの一番の違いはそれがカッコよく描かれているかどうかだ。この映画の中では完全に被害者として描かれている。私はそれが正しいと思う。
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