みゅうちょび

チャイナ・シンドロームのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

チャイナ・シンドローム(1979年製作の映画)
3.9
今こそ真に感じることができる恐怖。

マイケル・ダグラス演じるカメラマンリチャードとジェーン・フォンダ演じる人気女性リポーターキンバリーは、原発施設でのロケ中に案内されたコントロールルームの見学室で所長から説明を受けている最中、突然警報が鳴り、内部の音は聞こえないまでもコントロールルームな中の騒然とした様子を目撃する。コントロールルームの撮影は禁止であったが、リチャードは脇に抱えたカメラでこっそりその一部始終を撮影していた。放送は禁じられたが、後にその現場の様子を専門家に見せ驚愕の事実が明らかになる。

報道ものは、その性質上、テンポが命。秒刻みで迅速に仕事をこなしてゆく姿が否応にも見てる側の緊張感を盛り上げる。

事故現場を治めながら自分だけが感じた微弱の振動から事態の深刻さを独り抱え込み、企業人として、専門家として、また1人の人間としての葛藤に苛まれるベテランの技師を演じたジャック・レモンの演技は、その表情から彼の人と成りや心の動きをくまなく想像できる程の臨場感。
マイケル・ダグラスやジェーン・フォンダの演技が希薄にすら見える。

テレビ画面のカラーバーから無音のエンドクレジットの不気味さ。自分の心の声を聴いてください。
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