がちゃん

チャイナ・シンドロームのがちゃんのレビュー・感想・評価

チャイナ・シンドローム(1979年製作の映画)
3.4
原子力発電所の事故を告発しようとした、テレビの女性アンカーとカメラマン、それを隠蔽しようとする者たちの物語。
我が国では、福島原発の事故を皆が知っているので、恐怖に現実感が伴うだろう。

この作品公開後、すぐにスリーマイル島での原発事故が起こり、本作はそれを予見していたのではないかと当時とても話題になりました。

さて、映画の感想なんですが、不謹慎かもしれませんが、このテーマを扱って映画にするということは、どこかにスペクタルなパニックシーンがあるものと予想してしまうのが普通だと思います。

しかし、本作はそういった描写はなく(コントロールセンターに振動が起きて騒ぎになるシーンはあるが)、まるでスパイ映画での機密の奪い合いのような展開になっています。

ですから、核そのものの恐怖というよりも、国家・大企業による機密隠ぺいの恐怖を感じる作品です。

途中、原発反対派のデモのシーンがあるのですが、ぬるいなあ。

原発の稼働中止に聞く耳を持たない会社に対して実力行使に出た人物が一人コントロールセンターに立ち籠りマスコミが殺到する中、事故を隠蔽するためにSWATまで投入される場面は一応の迫力があり盛り上がりますが、もう一押しほしかったのが個人的な感想です。

現地からの生レポートの画面が中途半端な形で途切れ、電子レンジのCMで終わるラストシーンには、なんともモヤモヤ感が残ります。
鋭い皮肉とはいえるのですが・・・

がちゃん

がちゃん