このレビューはネタバレを含みます
80年代に突入し、新しいゴジラ映画が見られると思いきや、特に見所も無く非常に冗長な映画に感じられた。
良く取れば大きな破綻もないが、悪く言えば破綻が生じるほどの中身も無かった。
核兵器の使用を巡る問題やスーパーXの登場などイベントも多いはずなのだが、一つ一つの展開が非常に淡々としており、重要性を伴っていないため盛り上がりに欠けていた。
また登場人物達についても、その内面が描かれることがほとんどないため全く感情移入することができなかった。序盤に触れられたゴジラへの怒り、憎しみなどといった布石も活かされることはなく、何となくでゴジラを殺さず火口に沈める、という落とし所に流されたのも物足りず。両親や仲間をゴジラに殺された登場人物達が何故ゴジラを生かそうと思ったのか、そこはしっかりと描写して欲しかった。
特撮面についてもセットの規模には驚かされたものの、劇伴などとうまく噛み合わず迫力のあるシーンになっていたかと言われるとはいとは言えず、特筆するような演出も無かったため、好意的な感想は持てなかった。
総じて、一つ一つのイベントや登場人物達に中身が伴っておらず、最初から最後まで軸が固まりきらず、ふわふわした状態のまま終わってしまった映画という印象。
これが80年代ゴジラの第1作と位置付けるならば、正直先が思いやられる。