刑務所──。賭けボクシングの真っ最中。
「なんでウルフなんかがトレスと闘うんだ」
「ケーンの替わりだそうですよ」
「ケーンがトレスを怒らせるはずがない、
裏がありそうだな」
そのさなか、ひとりの囚人が脱獄した──。
「脱獄は、18年間で6人だが、君が来てからは5人になった、なぜかな?」
「ベイツ所長、あんたが嫌いだからじゃないさ」
刑務所に服役中の詐欺師、ケーン
(ジェームズ・ウッズ)は、ボクシング賭博で
財を成したジョン・ギリオンの噂を聞きつける。
ギリオンは、名ボクサー、チャールズ・ディグズ
の最後の試合で、自分がマネージャーを
していながら、相手選手に大金を賭けて
儲けたのだった──。
「ディグズは史上最強のボクサーだ、
練習試合で1日に5人も倒したんだぞ、
──もっと強いのがいたら言ってみろ」
「ロイ・パーマ」
「誰だ?」
「知名度は低いが、ヘビー級じゃ世界最強だよ」
「聞いたこともねえ」
「見せてやりたいね、
1日で君らの10人くらいは楽に倒すから」
「10人も倒せる奴がいるか」
「10対1で賭けてもいい、この町の連中なら
1日で10人倒せる──絶対だよ」
「10万ドル対1万ドルでも受けるか?」
「いいとも」
「では賭けに応じよう」
「あんたは?」
「ジョン・クレイトン・ギリオン、
ディグズのファンでマネージャーだった、
いつ対戦をするつもりかねミスター?」
「あんた、本気かい?」
「本気だとも、その証拠に今すぐ1万ドル現金で
出そう、君は10万ドルお持ちかな?」
「・・・」
「息子からビリヤードで奪った車が25000、
君のシャレたトラックも25000として、
差し引き5万ドルでいい、君くらいの
勝負師なら5万くらい持っているだろうな?
──なければ、
──反則とみなし、
息子から奪った車は返してもらうぞ」
「俺は今すぐにと言った訳じゃ・・」
「俺が出そう」
「ミスター、ケーン?、
君はロイ・パーマのファンなのかね?」
「名も知らんが、あんたの逆を張る」
ケーンは仲間のフィッツに指示を出し、
出所と同時に行動を開始。ギリオンに接近した。
ケーンはギリオンに、10人のボクサーを
相手にしても、ロイ・パーマーなら勝てると
豪語し、10対1の賭けの勝負を承諾させる。
ケーンは、刑務所で親友だったウルフの妹、
エミリー(ヘザー・グレアム)を訪ねる。が、
ウルフは出所直前に脱獄し、殺されてしまう。
「説明して!、これはあなたが仕組んだ
ボクシング賭博に関係があるの!?」
「知らない、それにウルフは来週釈放だった、
脱獄する必要がないんだ、
──だが、口をふさがれたのかもしれない、
ウルフはギリオンの八百長を偶然知って、
口封じに麻薬密売の罪を着せられ、
刑務所に送られた」
ケーンはギリオン側の選手の一人、サムを買収。
試合の当日、1人目の選手をパーマーが
ノックアウトしたところで、
ギリオンは賭け金を25万ドルにすると約束。
同時にサムが買収されていたことを知った彼は、
5人目にパーマーと対戦するサムの兄に
勝たなければ弟の命はないと脅迫する。
が、真剣勝負の末、サムの兄は負けてしまう。
そして、サムは殺される。
──試合は一時中断する。
残り5人のプロボクサーと
対戦しなければならないパーマー。
賭け試合の裏ボクシングの為、ケーンは、
ギリオンの手駒のボクサーを読み解く。
そこへギリオンは、
なぜか7人目のボクサーとして、
まったくひ弱な自分の息子をリングに上げる。
そして、ギリオン側の謎の最終ボクサーも
登場する──。
悪 対 悪 の頭脳戦と体力戦