滝和也

リプレイスメントの滝和也のレビュー・感想・評価

リプレイスメント(2000年製作の映画)
3.6
プロの世界で、
ひょんなことから
生まれてしまった
ポンコツ個性派チーム
がデカイことを
成し遂げる…

ハリウッド映画伝統の
アメリカンドリーム作品

「リブレイスメント」

リブレイスメントの意味は代理選手。NFLが嘗て選手のストにより、代理選手を使って試合を行った事から発想された作品の様です。今作において舞台はアメリカンフットボール。様々な背景から寄せ集められた良い意味で個性的な、悪い意味ではポンコツ選手が成し遂げる奇跡を描いた作品です。

NFLで選手によるストが始まる。オーナー達の年俸制限に反対しての事だった。オーナー達は代理選手による試合開催を計画する。ワシントン・センチネルズではコーチに型破りで干されていたマクギンティー(ジーン・ハックマン)を起用。彼は更に型破りな選手を集めだす。元特種部隊の警官、刑務所にいる犯罪者、足の早い泥棒、聾唖の選手、元サッカー選手、スモウレスラーと…。その中にチームの司令塔クウォーターバックとして嘗ての大学の花形選手だったファルコ(キアヌ・リーブス)がいた。シーズンは残り三試合。プレイオフを目指して個性派集団がスタートする…。

がんばれベアーズ、スラップショット、そしてメジャーリーグとアメリカ伝統のスポーツコメディであり、3大スポーツの一角であるアメフト版がこちらです。

セカンドチャンス…落ちぶれた人でも這い上がるチャンスがあり、アメリカにはそんな夢があると言う正にハリウッド王道の展開であり、僕はそんな作品は楽しんで見てしまう方なので好みなんですよね。

勿論ストーリーは定形だし、わかっちゃいるんですが…コメディ部分が楽しいし、ラストは手に汗握り楽しんでしまう。弱者が強者を倒す展開好きな判官贔屓な日本人の典型なのかなとも思います(^^)

特にこれ…フォーマットはメジャーリーグそのもの。選手の個性もどこかしら似通っていて、誰が誰のポジションかわかるレベル(笑)キアヌ・リーブスはトム・べレンジャーですかね。キャッチャーもクウォーターバックもチームの司令塔ですから。ただ…キアヌ中心なのでチャーリー・シーンに当たる部分も兼務でしょうか。後…スモウレスラーフミコさんは石橋貴明、貴さんのポジ。何ですかーって叫びますが(笑)

まぁ無論メジャーリーグには勝てないのですが…(貴さんの偉大さがわかりますね(笑))コメディ部分は充分楽しめるし、重鎮ジーン・ハックマンの演技力、若きキアヌ・リーブスはやはり圧倒的なカッコ良さです。さらにアメフトのシーンは迫力もあるし、段々結束して行くチームの良さもあり、ラストの盛り上がりも◎。そうだ…若きジョン・ファブローが元警官で狂犬ばりの獰猛キャラで仲間を演じてるのも○かなと。

ただ…ラストのモノローグはいらなかったかなと…。これは見てください。ネタバレになりますから。

でも…スポーツ選手の年俸に関してのストはイメージが悪いですよね。確かに明日の保証がなく、選手寿命が短いアメフト選手なんでわかる部分もあるんですが、ストはファンを置いてけぼりにしてしまうし…。高年俸を更にと言うのも…。メジャーリーグではファンを減らす原因にもなりましたし…。嘗ては野茂英雄がそれを救いましたし、近年では大谷翔平が…。日本の野球小僧が金ではなく夢を追い、その頑張る姿に応援が集まった、またはいるのも事実です。

この話も金ではなく、崖っぷちから這い上がり、夢を成し遂げようと努力する姿の素晴らしさを語ってくれてます。シンプルで王道、やはり好きです。
滝和也

滝和也