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マレーナのamethystのネタバレレビュー・内容・結末

マレーナ(2000年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ジュゼッペ・トルナーレ監督と、エンニオ・モリコーネの最強タッグ。

少年が、街の既婚者の美女マレーナに密かな恋をする物語。
徴兵された夫を待っていたマレーナは、夫の戦死の知らせを受けて少しずつ自分を失い、彼女に惚れた男たちに翻弄され、最終的には娼婦へ…
そんな様子をもはやストーカーのように影で常に見守る少年。
街の人々にどれだけ悪口を言われていても、教会でイエス様に「毎日蝋燭に火を灯しに来るから彼女を守って」というだけで、幼く未熟な彼は何の行動もできない。
そして終戦後、彼女は街の女性からの妬みと怒りと恨みをぶつけられ、別の街へ出ていく。それも離れたところから見ていた少年。。。

その1年後、死んだとされていたマレーナの夫が帰ってくる。しかし街の人たちは彼女への恨みと酷い仕打ちをした過去から、正直にマレーナのことを教えてくれない。
そんな様子を見ていた少年は、マレーナは夫を愛していたこと、電車に乗って街を出て行ったことを、手紙を通して伝える(それも名乗って!!)。その手紙を見た夫はマレーナを探しに街を出ていく…

その後、マレーナと夫は腕を組んで街に戻ってくる。マレーナは面影はあるものの少しふっくらし、過度に着飾ることもなくなっていた。街の人々ははじめは彼らと距離をとっていたものの、市場の人たちを発端にマレーナに優しく接するようになる。

その帰り道、オレンジを落としたマレーナ。いつものようにストーカーしていた少年が、オレンジ拾いを手伝いに行く。この時にはもう大人になっていた少年は、初めてで最後のマレーナとの接触を果たす。そして最後に帰っていくマレーナの背中に向かって「お幸せに、マレーナ」と言う…

年齢も見た目も身分違いの恋であり、それをわきまえて遠くから眺めるのも愛。
だからこそ彼女の気持ちは夫に向いていることを知っており、夫には真実を伝えようと思ったのも愛。
最後に夫と仲睦まじそうなマレーナを見て心から幸せを願うのも愛。
美しい恋物語だった…

しかしね、ちょっと性的描写が多すぎて、私には刺激が強かったかな。

ニューシネマパラダイスもある意味「身分違いの恋」を描いているものの、引き裂かれながらもお互いに愛していたという、こちらとは対照的な「愛」を描いていると思う。
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