かおり

マレーナのかおりのレビュー・感想・評価

マレーナ(2000年製作の映画)
3.7
ニューシネマパラダイスを観てマレーナのことを思い出した。
こっちの方が重くて、もしかしたらこっちの方が純粋かも。

この映画、どこかで予告編だけ見て「あ、女性向きじゃないな」と観たい作品リストから迷わず除外されたけど、その後スカパーでやっていてうっかり鑑賞してしまった。
前半はボーッと流し見してやり過ごせない程度に下品で正直気持ち悪く、何度か消したくなったが、その度に美しいマレーナが出てきてくれるので頑張って見続けた。
マレーナの淡々とした生活や心の動きに集中できるようになってきてからは、ひたすら切ない思いで胸が締め付けられた。

女はつらいよ…。

誤解を恐れずに言えば、この映画を観る限り、男は全員バカだ。女の敵意も怖いが、まだ立ち向かえる。しかし男の愚かさはもっとずっと恐ろしい。強く美しく輝いていた女性の心を、あっという間に死んだも同然にする。近づいてくるやつも見てるだけのやつも全員がバカ過ぎて、マレーナはいっそ死んでしまいたかったのではと思う。
誰も本当の意味では自分を見てくれず、決して理解されない辛さ。
だからこそ、ラストで本当に救われるし、心から感動する。

もう一度観たいけどあのままではちょっとムリなので、誰か下品さを減らしたエディションにして出してくれないかなぁ…という感じ。
かおり

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