みてべいびー

マレーナのみてべいびーのネタバレレビュー・内容・結末

マレーナ(2000年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

私ちょっとこの映画すごいショックだったなぁ、、、。もちろん時代も時代だし、美しさゆえにすごい恨みを買ってリンチされるなんてこともあったのかもしれないけど、こんなことがまかり通ってたのかと思ったら恐ろしい。やっぱり人を嫉妬とか狂気とか普段なら抱かないであろう心理状態に追いやる戦争って怖い。
ムッソリーニ率いるファシズムに反感を持ちながらも、支配下にある時は従うことしかできず、戦争に負けて独裁政権が崩れればお祭り騒ぎ。こうゆう一連の流れを一時間半という短時間で俯瞰的に観ると、政治なんて茶番だなと思わずにいられない。虚しいよね、たったこれだけのために払う犠牲が大きすぎやしないか。
そうやって暴政と戦争に翻弄されて苦しんだマレーナの話。全編Male gazeを通してしか語られることはないし、当時の女性蔑視的思想に浸かった女性たち本人による、それを覆すような他の女性への圧力と暴力。この映画がそれを批判するものなのか、むしろ助長させる結果に至っているのかはわからない。レナートのマレーナへの恋心も擁護したい気持ちもわかるけど、正直その全てが美しいとも言い切れない感じがする。下手にジェンダーの勉強すると、こうゆう映画を純粋な目で観れなくなってしまうね。
Monica Belluciの溢れんばかりの美しさが素晴らしいんだが、それより集団心理の恐ろしさの方が自分には強く印象づけられた。マレーナの旦那が人々の扇動や悪意に惑わされない人だったことが唯一の救い。にしてもあの群衆の中で裸体を晒す役を演じた彼女の度胸がかっけぇ!
みてべいびー

みてべいびー