YasujiOshiba

スペース・トラッカーのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

スペース・トラッカー(1996年製作の映画)
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ブルーレイ。届いた。見た。馬鹿馬鹿しい。楽しい。 

追記:
この物語も「経済」と「貨幣」が牽引する。なにしろ冒頭は傭兵会社のCEOのサッグスとそのサイボーグ担当のチーフ研究者のDr.ナーベル(これってダイナマイトを発明したNobel のパロディなのかね)が登場。無敵のサイボーグ戦士が無敵であることを証明するとこから始まる。

要するに金になる。だからラストで、この無敵のサイボーグは金になり、金になれば無敵になれることが証明されそうになる。これに刃向かうのが、我らがスペース・トラックの運転手ジャン・キャニオン/デニス・ホッパーとその仲間たち。

キャニオン/ホッパーなんて、冒頭から金にケチつけられる。宇宙豚の運送料金が、ちょっとしたトラブルで約束の金額から値引きされちゃったことで、ひと騒動。ヤバイ仕事を引き受けることになる。それが、冒頭のサイボーグがらみで、Dr.ナーベルもあっと驚く姿で再登場して宇宙の大活劇(?)。

挙句の果てに地球に到着(というか落下)するのだけど、そこにはあのCEOのサッグスが今や、民営化された政府の大統領になっていて、サイボーグがらみの陰謀を知った彼らを買収しようとするのだけど、キャニオンと仲間たちには、やばい大金の魔力をすりぬける何かがあった。キャニオンは金を受け取るのだけど、仲間となったマイクが腹を立て、札束の入ったケースを窓から捨ててしまうのだ。

いやはや、作品全編を貫くリバタリアニズム。柄谷流に読めば、まさに交換様式Cの行き着くところ。ところがキャニオンとその仲間たちのオールドタイプの人間関係が、交換様式AやBを復活させてゆく。そんな物語なわけだ。
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