おかだ

美女と野獣のおかだのレビュー・感想・評価

美女と野獣(1991年製作の映画)
4.2
個人的に、おとぎ話をベースにしたディズニー作品では1番のお気に入りである

まず、思わず息をのむヴィジュアル面での芸術性について
城の中・町の背景・戦いのシーンなど印象深いものはたくさんあるが
特に、野獣という存在しないものを違和感なく描き切ったデザインの秀逸さ、これは筆舌に尽くしがたいものがある
また音楽面では、アランメンケンの楽曲が作品に更なる深みを与えており
ただ歌っているだけ・ただ鳴っているだけではなく、絶対にそこになくてはならないものだと感じる
ストーリー面ではおとぎ話をベースにしているため古典的要素を踏襲しながらもどこかモダンな感覚も持ち合わせいる
特に、出会ってすぐに恋に落ちるわけでなく時間と共に愛を深めていく様はディズニーの中でも新しい表現だと思う
また、具体的にどれくらいの時間を要したのかという点について明言せず見る側に委ねている点も好印象だ
そしてなにより、この作品のお気に入りポイントはベルのキャラクター性にある
彼女は優しくて、知的で、努力家といった要素を持っており、自らの美しさに頼らない性格についつい共感してしまう
また、他のプリンセスが持つ「王子様が欲しい」「足が欲しい」といった夢よりも遥かに具体的な目標をもって生きている(他のプリンセスを批判しているわけではない)
自分の理解を超えた素晴らしいもの、偉大なものを夢見ながら努力する一種の哲学的な姿勢こそ彼女の魅力だ

最後に、観る人のピュアな部分に訴えかけて
心の底でなんとも言えない感情がうごめく
このような作品こそが名作と呼ぶにふさわしいだろうと思う
おかだ

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