mimitakoyaki

コマンダンテのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

コマンダンテ(2003年製作の映画)
3.7
キューバのフィデル・カストロに密着したドキュメンタリーです。
アメリカ人がカストロの映画を作るなんて、日本人がどこかの将軍様の映画を作るくらいの気合いがいるでしょうね。

この作品は、ずっとオリバー•ストーン監督とフィデルの会話で成り立っています。
キューバ革命のこと、チェ•ゲバラのこと、キューバ危機のこと、ソ連のこと、映画のこと、バイアグラのこと(笑)
色んな質問に対してフィデルは答えます。
時には厳しい質問もあって、その場の雰囲気がピリッとしたり、真摯に答える場面もあれば、上手くはぐらかす場面もあり、フィデルの人となりが伺えます。

街に出たら若い人達から「コマンダンテ!(司令官)」とか「フィデル!」と呼ばれて、どこに行っても人々に囲まれ握手ぜめ、まるでアイドルのような人気ぶりです。
街の人達と肩を組んで歩きながらしゃべったり、気安く学生に話しかけたりする姿は「独裁者」のイメージとはかけ離れています。
そんな人柄の魅力みたいなものも伝わってきました。

そしてキューバの音楽の素晴らしさは「ブエナビスタソシアルクラブ」でも一躍有名になりましたが、ここで使われてるキューバの音楽もホントに素敵でした。ラテンの大らかさ、朗らかさが音楽からも伝わってきました。

フィデルは独裁者に良くあるような偶像崇拝を嫌ってるため、フィデルの銅像や肖像画などは一切作らせてないそうです。自叙伝もないので、フィデルの素顔に迫る対話の数々を記録したこの作品は、歴史の記録という点で大変貴重なんだろうなと思いました。
mimitakoyaki

mimitakoyaki