このレビューはネタバレを含みます
オリヴァー・ストーン監督が2002年にキューバのカストロ議長に3日間の密着インタビューを敢行した記録映画。
米国メディアが唱える“カストロ=敵”というイメージとはまた違う、カストロ議長の一側面が見られる興味深い作品だと思う。
オリヴァー・ストーンの少々意地悪な質問にも得意の話術で逸らしたり上手い返しをしたり、撮影当時76歳のカストロ議長の衰えぬ頭の回転の速さに“革命の英雄”“カリスマ性”の何かを見た気もした。
フルシチョフやゴルバチョフの話や、ゲバラの話、キューバ危機の話など、キューバに関わる歴史に興味がある人は面白く見られるんじゃないかな?
まあカストロ議長が語る以上、内容にもその“立場”というものが反映しているだろうけど、西側からの偏った解釈だけでない見方を当人から聞けるのは資料的価値もあるだろう。
政治的な話だけでなく、「『タイタニック』はスペクタクルとしては良い。
大画面で見るべきだ。」とか「健康法は…」とかそういう一面も面白いね。しかしラスト、空港までスタッフを見送りに出るとは…。
独裁者のイメージ操作のためだけとも思えない、カストロ議長という人の大きさを感じるところでもあります。