たな会No02

青べか物語のたな会No02のレビュー・感想・評価

青べか物語(1962年製作の映画)
4.5
左幸子のかしましさとか、市原悦子の強さとか、人を呼ぶときイエイって叫ぶまじうるさい東野英治郎とか、なんにでもガハガハ笑ってる加藤武とか、結界張られて惨めな思いをするフランキー堺とか、ともすると泣いてしまいそうなくらい笑える存在感をありがとうって感じでした。浦安に住むあまり裕福でない人々のユーモアとペーソスを、元気にいきいきと描きます。同じような設定の『どですかでん』ほど重くなく、かといってあれは色彩がどぎつかったですが、こちらはめりはりがあって素晴らしかった。ラストの東野英治郎のはっぴが最高。欲しい。左幸子たちの着物もきれいでしたねぇ。一方、下宿先の夫婦とか、乞食あまと呼ばれてる女の子とか、船長の初恋の話とか苦しい話もちゃんと描くんですよね。その対比が素晴らしいのと、現代の殺伐さとの対比に映画の真摯さを感じてぐっときてしまいましたね。オープニングの横スクロールしかし少し斜めのカットもいい。そして橋。川島雄三を今日は観た。