このレビューはネタバレを含みます
本当に本当に本当によかった
という言葉で終わらせてはいけないくらい各世代から見る「人生」を丁寧にカオスにならずに映していて、まだコンピューターが分厚いあの時代のノスタルジーが濃すぎてタイムスリップした気持ちになった。特にふたりが日本で30年ぶりのデートをする描写が全て美しくて切なくて、平成初期のホテルの看板も胸が締め付けられる。
邦題は「ヤンヤン夏の想い出」だけど明らかに原題の「A one&a two...」だろうが!
あとバックミュージックがないのに全く飽きなかったし生活音も部屋の奥で会話が聞こえてくるあの無機質なインテリアだけのショットも全部愛おしかった。
面白い映画は沢山あるけど刺さるものってこう、結構観てても4ヶ月に1回くらいしか訪れないもんだから、この映画は見れてよかった出会えてよかった。「この映画に出会わないまま死んでたら勿体なかったな」と思う。あと普通に夏の台湾、香港映画が自分の好みなのかもしれない。あと!披露宴で始まり葬式で終わるの粋すぎるって。構成がとにかく天才でした。
いいセリフが多すぎたので勝手に書いておきます(意訳)
不思議です。なぜ新しいことを我々は恐れるのか。毎朝が新しい。同じ日は1日もないのに。
15歳の時初恋をしたんです。突然音楽が心地よく感じました。それで、彼女は去ったんですが音楽は残りました。
お互いが何を見てるかわからなかったらどうやって話し合うの。
いい質問だ。だからカメラがあるんだ。撮ってみるか?
「真実の半分だけ」ってあるの?前からしか見えなかったら後ろは見えないってことでしょ
叔父さんが言ってた。映画が発明されて人生が3倍になったと。映画は普段の生活を2倍面白くしてくれる。
ねえあなたのこと毎日考えてるのよ
「考える」か。そうだ、時間をかけてお互いのことを「考えて」みよう。1日で解決する話じゃないから
手品のタネはないんです。ただ僕がカードの場所を全て暗記しているだけなんです。あなたはいい人だがあなたの会社の仲間は手品師を期待している。でも僕は、正直にやるだけなんです。
自分には今日の出来事を話す内容が少なすぎると思ってたけど 山の人達が一日に何度も同じ話をしてくるの それで気づいた 物事は複雑に見えるだけでとても簡単なの
僕も留守の間青春をやり直せる機会があった 結果が変わるかもしれないと でも気づいた 人生は一度だけでいい
ヤンヤン、僕の後ろ姿の写真か?どういうつもりだ?
自分では見られないからだよ