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ヤンヤン 夏の想い出のmのネタバレレビュー・内容・結末

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

直近に観た映画が全部良すぎて、まさにゴールデンウィークを堪能中。

イッセー尾形は私たちの人生を3倍にしてくれる。六八コンビによって生み出された、『夢で会いましょう』発の楽曲をしとやかに歌い上げた日本人は、坂本九と同時代を生きたコメディアンのコピーにすぎないのだろうか?もしも、真宗大谷派住職の息子...あの究極の無責任男が海外に進出していたらという妄想が、窓ガラスや写真に映る像のように反響・反復され、風船あるいはコンドームのように膨らむ。序盤、ヤンヤンの母の弟の結婚式にて、パチパチと割れる風船の色は、1970年代にアメリカ進出を企図しながら失敗に終わった二人組女性デュオを思わせもする。また、式場を彩る赤色から、青色ーーヤンヤンが飛び込むプール、ティンティンの初恋を見届ける空、NJとシェリーが訪れた熱海に広がる海ーーへの移行は、岩手出身の野球少年のアメリカンドリームを予告していたとも言える。

話は戻るが(どこに?)、『シャボン玉ホリデー』という伝説的番組のOP映像は、これまた本作の式場の空間に近似しておりーー同時に、先行するイメージとしてダグラス・サークの『悲しみは空の彼方に』のOPを挙げることが出来ようーー、舞うシャボン玉🫧を背景にタイトル曲を歌っているザ・ピーナッツは、先に挙げた二人組女性デュオの先駆者的存在だ。
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