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ジープの四人のmhのレビュー・感想・評価

ジープの四人(1951年製作の映画)
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WW2後、イギリス、フランス、ソ連、アメリカの四か国による分割統治時代のオーストリア(1945-1955年)が舞台のミステリードラマ。
ソ連が担当する地域に囲まれている首都ウィーンについても、そこだけさらに四か国が分割統治しているという奇っ怪な状況が背景。
具体的にどうやって分割統治していたのか「第三の男」よりも詳しくやってくれるけど、物語として「第三の男」よりも魅力に欠けているから埋もれているのかな?
四か国それぞれの憲兵が一台のジープに同乗して市内を循環する。運転手はジープを供出したアメリカ。助手席には当番国の憲兵が座る。(アメリカが当番国のときは知らない)そんな決まりも面白い。
憲兵同士は民族と言語を乗り越えて仲良くしているが、そこに新入りのソ連兵がやってくる。
米兵とソ連兵はエルベの誓いですでに知り合っている。
夫の復員を待つヒロインと、ハンガリーの捕虜収容所を脱走してしまった夫を取り締まらないといけないのだが、米ソ冷戦がいまにも始まりそうで各国の思惑が憲兵たちに伸し掛かるというプロットてんこ盛り。
エルベの誓いと、米兵の恋愛と、脱走兵対応が同じぐらいの分量になってしまったのが、いまひとつピンとこない原因か。
とはいえ、「第三の男」でも登場したような気がする水路なども登場する。「第三の男」を見ておくとあの世界のシェアワールドみたいで面白い。
四人の憲兵それぞれにいいところがあるというバランスが気持ちいいんだけど、それはこれがスイス映画だからかもしれない。
面白かった!
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