えるどら

平成狸合戦ぽんぽこのえるどらのレビュー・感想・評価

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)
3.4
タイトル通り平成の空気を感じられる懐かしき映画

初めて視聴。
高度経済成長期に入り、都市開発の真っ只中で奪われる自然の立場を狸として描く。
狸もまた人に紛れて生きているという設定や、ジブリらしい表情豊かなアニメーションが魅力だ。

平成の空気を感じられると言ったのはキャラクターの話し方は服装などが、自分が子供の頃TVで見かけた映像に似ていたからだ。
自分が子供の頃見ていたのは、平成10年代のTV番組で、TVの中には少し昔のスターたちが登場する。
そのタレントたちの雰囲気やVTRの中の映像に近いような気がしてなんだか懐かしさ?でも実際に具体的な場面は思い出せないから、平成日本の心象風景?を感じていた。

心象風景といえば作中ラストでニュータウンが森に覆われた際に、女性が「お母さん…?」と自分の幼少期の思い出がよみがえるシーンが印象的だった。
僕みたいな地方の田舎出身の人間ならまだしも、都心の出身の人でさえも、「古き良き日本」と聞くとあのような森に囲まれた田舎を思い出してしまうのはなぜなんだろうか。
日本人の心の中の風景、というのが存在するのだろうか。
この映画はその風景を消してはいけない、と言ってる気がした。
今の子供たちの心にもあんな風景があるのだろうか…。
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