何度見たことか。
高畑勲監督総決算。
テーマパーク化する妖怪たち。
異形のものとして、恐れられていた妖怪やオバケはもはや本来の意味をなさず、遊園地のアトラクションとして資本主義に消費される。
人間たちは百鬼夜行に恐れをなすどころか
抱いた感想は「楽しかったね」である。
そしてタヌキたちの内部では武闘派と穏健派が内ゲバを起こし、死んでいく。
高畑勲作品の根底にある左翼運動の理想と現実。
大本営発表のようなかりそめの大勝利。
タヌキたちが繰り広げる最後の宴。
楽天的気質は、現実への認識を甘くさせ
資本主義に敗北していく。
結局百鬼夜行で、得たものは金銭だったというのが象徴的。
江戸文化よ、サラバ。
特攻隊精神で駆逐されていく日本江戸文明。
この映画は大自然賛美の映画ではない。
日本江戸文明の墓石だ。
ラストカットの夜景がそのまま「耳をすませば」のファーストカットにつながっているのはあまりに有名。