ヨミ

プロメテウスのヨミのネタバレレビュー・内容・結末

プロメテウス(2012年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ギャオ、高画質版と標準画質版を同じ価格で売っているのだが完全にタップをミスって標準画質版を観るハメになり、何が起こってるのかわからない箇所が多かった。現代において標準画質(そもそも標準の基準が低すぎる。FHDを基準にして4Kくらいで始めて高画質を名乗って欲しい)で配信する意味がマジにわからないので困ってしまいました。

てらさわホークお気に入り映画ということで、これを観るべく『エイリアン』シリーズ(1は観ていたので2から4)を履修し臨んだ。

正直なところ、前情報なしに本作をリアタイしていたら「ひで〜映画!」と言っていたと思う。ホーク氏はこれを「大御所だから許されるトンチキな映画」としており、そういう目で見ると魅力はある。

そもそもなんの話なのか全く分からず、なんか視覚効果のレベルは高いけど調査に来たひとたちの統率もばらばらで、そんでなんで殺されてるのかもよくわからない。
てか最初の身投げした「技術者」は何なのだろうか。あいつが「人間の素」?
宇宙船が去っていく描写があるので、原始地球に残された彼がDNA撒き散らし液を飲んで身投げすることで海中に細胞分裂する何か(=原始の生物)ができたってこと? そして彼らが「やっぱ地球ぶっ壊すか……」と心変わり(なぜ???)して、恐らくそれが「エイリアン」という変異に邪魔されたということだが、彼らは軍事拠点にしていたそこにエイリアンがいることはわかってなかったのだろうか。それともエイリアンは突然襲来したのだろうか。謎である。

また、本作の説明文に「エイリアンの原点」みたいな文章が添えられていて、ぼくもエイリアンなんだろうなと思って観たしそのために観てきたのだが、エイリアンだと明示されるのは本当にラスト。『スプリット』の最後で『アンブレイカブル』の延長だとわかるくらいの要素で、これは「エイリアン」だと知らないで観た方が楽しい気がする。(と思ってwiki見て観返してみたら壁画にエイリアン的なやつがいた。わかんねえよ!)
と、本来なら3点くらいかなーという感じだったのだが(視覚効果でそんくらいはいく)、「出産の恐怖」を映像化したという『エイリアン』から派生してマジで恐怖出産をやるシーンがよく、そこが観れたので3.5はいかないけどまあという感じ。腹からクトゥルー的エイリアンが出てくるのはすごく良かった。あと医療ポッドが「男性用です」ってなってるのも2090年代になっても男尊女卑かよ!という地獄みたいな現実を突きつけられ、リドリーがそういう害悪の固定性に自覚的なのかなと思った。しかしそこをマニュアルで「腹に異物がある」って認識をさせることで突破するのは良い。あと、登場人物がほぼ全員イカれているわけだが、「なぜ「技術者」が心変わりをしたのか知りたい」というラストは学者らしくて少し感動した。でも腹切って(簡単な縫合したとはいえ)動きすぎじゃない? アグレッシブだ。
シャーリーズ・セロンは基本的に「無事に帰りたい」感を出しまくっているのだが、特攻かけるぜというときに脱出ポットに向かう、命惜しさのリアリティーが大変良かった、「脱出ポット行きなよ。あと40秒だけど……」と言われ、「うぁぁぁぁ!」と狼狽え焦りまくりながら宇宙服に着替えたりするところの、まあそうなるよねという共感。そして落ちてくる宇宙船に潰されるわけだが、ああいう落下巨大物でちゃんと死ぬっての初めて観たかもしれない。

あ、あとマイケル・ファスベンダーのデヴィッドがデヴィッド・ボウイに見えて仕方なかったしいいキャラでした。

(書いてみるとたくさん書くことができてやはりリドスコはいい作り手なのだなあ)
ヨミ

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