とり

プロメテウスのとりのレビュー・感想・評価

プロメテウス(2012年製作の映画)
4.0
期待値が高くなかったおかげか、結構面白かったです。
しっかり作り込まれた本気のSF映画ってそう多くないので、それだけでもう満足。
エイリアンシリーズとして観ると、どうしても過去の名作と比べてしまってアレコレ言いたくなる部分はあります。
それを脇へ置いておいて、単体の映画として考えると文句なしの娯楽大作。

設定とか構成はポール・アンダーソンのエイリアンVSプレデターに似てます。あちらのほうが描きたいものがわかりやすくてまとめ方が上手いです。傍流をいいことにやりたい放題で娯楽全振り。
本作は正統派エイリアン(と捉えてます)という重みもあってか、やはり最低限外せない部分が多いので、バランス取りに苦心したんじゃないかな。ちょっと流れがよくないです。
説明不足で不親切、不自然な箇所も多くて、ものすごく無理がかかってます。

従来のシリーズファンに向けたサービス精神があふれまくってて、ハイ楽しんでね!!と言わんばかりのシーンが多いのは素直に嬉しいです。
人物描写がやや物足りないので、そのあたりの見応えは残念ながら薄いです。
特にシガーニーウィーバーというとてつもなく高い壁があるヒロイン役はどう描いても厳しい。今回はインテリスーパーエリートのはずが謎のアドレナリン出まくりの超絶脳筋派になってるのがギャグすぎて。殺しても死なない骨太感。リプリーは強烈な生存本能の中にもっとあやうい部分もあったんですが。本作の彼女、芯が強すぎますね。堕ろす!!!と即断するあたり背筋が寒くなります。

アンドロイドが気に入っていると言って鑑賞していた映画アラビアのロレンス。
ロレンスが炎を操るシーンが流れていました。プロメテウスが人間に与えたものの1つが火なんですよね。ちなみにプロメテウスはプロローグの語源で対義語がエピメテウスのエピローグ、プロメシュームは雪野弥生。
特にあのシーン(マッチの炎が夕日に切り替わる名シーン!)が好きなんだろうなと思うと彼の行動原理も理解できるような気がします。
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