黄推しバナナ

海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズの黄推しバナナのレビュー・感想・評価

2.5
監督 : 太田隆文による和歌山県田辺市をロケ地に淡く切ない4人の青春を描いたご当地第一弾作品。

マキ(谷村美月)の柔道の試合に、
夏美(佐津川愛美)、
理沙(芳賀優里亜)、
美香(東亜優)、
3人が応援隊として参加。
車で試合場に移動中事故に合い「夏美」だけを残し3人は死んでしまう。死神から3人は死亡してから2日間の自由時間を貰う。3人の幽霊が見える「夏美」は3人のそれぞれの思い出に別れを告げるために思い出の場所を巡る。

こう言う作品はロケ地の和歌山県田辺市の風景が主役だと思うのだが、野外でもほとんど演者の顔のアップで背景が死んでしまう。屋内のシーンがやたら多いい。違うんだよなぁ。
「風景だけの画」と「演者から引きの画」をプラスした思い出の場所巡りのロードムービーに重点を置いて制作すべきだった。いらない所に時間を使いすぎた。

例えば、
●夏美の姉の春美(三船美佳)の片足が無く家族の支えが無いと何も出来ない。性格が卑屈になっている。幽霊が見える設定。話し上あまり重要でない。
●鉄男(波岡一喜)の仏の使いなのに幽霊が見えない設定。見えるで良くない。
●夏美の家族と学校の先生がやたらと夏美を捕まえて家に連れ戻しに来る。話し上あまり重要でない。
●学校でのマキ、夏美、へのいじめ。話し上あまり重要でない。

それらをカットして節約した時間は思い出の場所巡りのロードムービーに使えばよかった。

セリフ無し状態の長い時間、思い出の場所巡りに使ったのはいいがピアノの旋律の BGM が気になってしまい感情に浸れなかった。
BGM は無しで自然から奏でる音で思い出の場所巡りをするべきだったかも。

砂時計で残り時間の演出をするのだが砂時計は少しダサいし演出(画)的には弱い。懐中時計にするべきだったのでは。

ボタンを押してカバーを開き「カチカチ」と音がする時計の針を見る。これだけでも演出(画)的には砂時計より強い。「カチカチ」と鳴る音が時間が迫る演出。精神的に追い詰められる演出が光ると思うのだが。

黒いロングコートに黒いミリタリーブーツ。黒尽くめの死神のビジュアルが在り来りて作品全体をチープに見せる。
「マキ」が死神に突っ掛かって行くのだが逆に返り討ちに合う(首を掴まれて吊り下げられたり、弾き飛ばされたり)あの演出はいらない。話し上あまり重要でないので死神の存在自体いらない。
カットして節約した時間は思い出の場所巡りのロードムービーに使えば良い。

その点をブラッシュアップすれば見れる作品になると思う。
感動する映画作るのは難しいねぇ…

①鑑賞年齢30代
②心に余裕鑑賞なし
③思い出補正なし
④記憶明確
黄推しバナナ

黄推しバナナ