浅見ベブ彦

やま猫作戦の浅見ベブ彦のレビュー・感想・評価

やま猫作戦(1962年製作の映画)
3.8
佐藤允は、慰安所の二階からぶらりと出てきて軽口をたたく快活な役柄がよく似合う。
脱走兵の始末を拒否し万年中尉だが、大隊長(中丸忠雄)とはその件でわだかまりが生じた同期の桜で、部隊の中でもはぐれ狼的なポジションにいる。
そんな2人の往年の関係性を思わせるような気心が知れた少尉コンビ(夏木陽介・伊吹徹)が着任し、彼らが図らずも汚名を着せられた敵前逃亡事件において、またしても佐藤允が手助けという形で関与していくことになるのは、悲しき宿命というより他にない。

西部劇風に派手なドンパチさせた活劇としての面白さはもちろんのこと、堅物にデフォルメされた高級参謀(平田昭彦)に振り回される大隊、監視哨に仕掛けられた”ゲリラ捕り”・軍歌練習など、思わずクスっとなるような喜劇要素も活きた十分に楽しい映画でした。