オーロンサムロード

ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人のオーロンサムロードのレビュー・感想・評価

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どの文化にも彼らのように、その文化の発展に積極的に参加することを生活の一部にしている人が必要だと。
同時代のアーティストの作品を買うなんて私にはとても勇気がなくてできないと思っていたけど、勘とか審美眼とかに従って、好きなものを手に入れて良いのではないかと思いました。(最近、周りに合わせるとかaverageを気にし過ぎる傾向にあったことを自覚させてくれました。もっと自分を信じてはみ出していいんだと思い出しました。)値段だけが価値じゃ無いことは、彼らが作品を売らないことからも分かる。結構重度な収集癖であることも確かだろうけど、アーティストと親交を深めて(so called friend-collecter) 作風に口を出したりするのはパトロン的でもある。でもそこで大金叩くわけでもなく、自分たちの手に届く範囲のものしか買わないというポリシーは芸術がなんのためにあるものなのか考え直させてくれる。
Art is mute when money talks. という標語がギャラリーの前に掲げてあった。アーティストだって生活してる訳だから、お金の存在は無視できない。ハーブさんもアートビジネスを否定してはいなかったけど、金銭的な利益を考慮されて生み出されるものは芸術なのだろうか?とも考えてしまう。夫妻のように生活に気軽に?芸術を生活の中に引き込むことは理想的だとも思える。(でも少ししか払わない人ばかりになってもアート界は変わってしまう気もする。)
日本人監督がこの控えめだが偉大な二人に焦点を当てたドキュメンタリーを残したことを誇りに思う。
(あと9本)