現代アートのコレクター、ヴォーゲル夫妻のドキュメンタリー。
元郵便局員の夫ハーブさんと元図書館司書の妻ドロシーさんのごく一般的なご夫妻が、少しずつ作品を買い集め、世界屈指の現代アートのコレクションになったお話。
彼らは作品を買うのにルールがあります。
自分達が良いと思った作品であること。
給料の範囲内で買えるもの。
1LDKのアパートに入る大きさであること。
その信念で集めた作品が、30年間で4,782点。
彼らの凄いところは、アートがただ純粋に好きで、自分達が楽しむことしか考えていないこと。
コレクションを数点売れば富豪にだってなれたのに、1点も売らず、新婚当初から住んでいるマンハッタンの1LDKアパートに住み続けて慎ましい生活をしてるんです。アートを投資目的としか考えていない人もいるのに。
一つの作品を買うのも真剣勝負。
作品が無名な作家なものであっても、他人がどう評価しようと、自分が良いと思ったものを買う。自分の鑑賞眼に自信を持ってます。
作家としても嬉しいですよね。
彼らのように情熱を持った人にコレクションして貰えたら。
作品を買うことで作家をずっと支援し続けたヴォーゲル夫妻。
彼らのような存在が、若い作家を育て支えるのだと思う。
ご夫妻の仲睦まじい姿は、微笑ましかったです。
