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28週後...のANTのネタバレレビュー・内容・結末

28週後...(2007年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

前作28日後から時系列は続いている
今作は前作主人公たちは登場せず全く異なる人物たちからの視点で描かれている

とある湖畔の民家で感染者から隠れながら生活しているドン一行
そこにある日突然感染者から逃げてきた子供が助けを求めて訪ねてくる
受け入れに反対するもの賛成するもので分かれたが結局子供を助けることに

それがきっかけかはわからないが家の近くにまで迫ってきていた感染者
建物の隙間から外の様子を伺おうとしたら感染者に気付かれて一人が感染してしまう

次々と襲われる老夫婦
ジェイコブは先に逃げ出しドンとアリスも寝室から外へ出ようとしたところ
アリスが子供を放っておけないとドンの静止を振り切り子供を連れ出しに向かう
そこで感染者がドアを破り侵入してきて二人は孤立してしまう
ドンに助けを求めるアリスだがドンは恐怖のあまりにドアを閉めて自分だけ逃げ出してしまう

感染者に襲われるアリスと子供
ドンは窓を見つめながらもボートのある湖畔に全速力で向かう
そこには先に逃げ出したジェイコブがボートを発散させる準備をしていた

追いつかれた感染者と格闘しながらボートを発進させようとするが足を滑らせて落ちてしまうジェイコブ
そして数秒後感染してボートに乗るドンに襲いかかる
ドンは命からがらジェイコブを振り切りボートで一人脱出に成功した

冒頭から28週後、封鎖されたロンドンには非感染者が集まり人類は米軍主導のもと復興に向けて歩み始めていた
感染者は性質上飢えるため人を食べなければ28週間経った今ほぼ死に絶えていると思われていた

ドンも逃げ延びてからは地域監督官として仕事に邁進して地位も築いて立派な家に住んでいた
そこに遠方にいた娘と息子であるタミーとアンディが帰宅
家に招き入れて当時何があったか語るドン
お母さんはどうしたの?という問いにドンは嘘をつき感染者から助けられなかったと涙ながらに語る

二人の子供はせめてもの思い出にと自宅に母の写真を取りに帰る
なんとそこには感染者に襲われて死んだはずの母アリスが息を潜めていたのだ

ここで一つ疑問なのがアリスは噛まれても発症せず生きていたのだが
狭い個室に感染者が4名も5名も傾れ込んで噛まれて全身を噛まれて生きているとは考えにくい
つまり感染者は感染した状態の人間に興味を失うためその時点で感染者から襲われなくなったと考えるべきだろう
では何故ドンは感染後に罹患しているアリスを襲ったのだろうか
レイジの凶暴性を増幅させるという特性からドンがアリスに抱えていた後悔や自責の念が反転してとんでもない憎悪に変わったのだろうか?
なんとも腑に落ちないところである

そしてドンは感染者となり次々と施設の職員や軍人に襲いかかる
エリアごとに封鎖をかけるもドンは地域監督官でかなり範囲の広い入場パスを保持していたためセキュリティドアが開きまくるw

ここも疑問2なのだが仮にも民間人のドンにどんだけ権限の高いセキュリティパスを持たせてんだよと
免疫を保持する女性を保護するのはまだわかるが一歩間違えば全て崩壊する危険な存在
せめて軍のトップしか入れないセキュリティにして24時間監視はつけるべきである
パンデミックを起こすなんとも幼稚な展開と思わざるを得なかった

そしてドンが感染者となり暴走する
出口は塞がっているため袋小路でどんどんネズミ講式に増えていく感染者
感染者はついに施設から飛び出し町中を走り回る
米軍も最初は個別に射殺で制圧して鎮圧を図るがもはや止められないと悟った今、街を全て焼き尽くすコードレッドの発令を命じる

軍医の女性はアリスの子供に免疫が遺伝している可能性を感じてイケメンスナイパードイルにこの二人を助けるようお願いする
しかしコードレッドは無差別での殺戮なので二人は空爆を回避して感染者の追跡を交わしつつヘリ操縦士との待ち合わせ場所に向かうも救助はできないと拒否されてしまう

その後感染者の追跡を再度振り切ったところ毒ガスが町中にばら撒かれる
感染者はほぼ死に絶えたはずなのだが今度は米軍が火炎放射器で遺体を焼き払いにくる
そして迫り来る米軍から3人を逃すため動かない車を押しながら行け!と叫び炎に焼かれるドイル

車が発信するもの空からはヘリコプターに銃撃されそれを回避するため地下鉄に逃げる
そこから脱出口を探しているところ
なんと空爆も毒ガスからも生き延びたドンが現れて女医を撲殺、アンディに噛み付いてしまう
タミーはライフルを拾い上げてドンと声をかける
ドンはタミーの瞳に妻ドンの面影を感じて動きが止まったところ射殺される

噛まれたタミーは感染していなかった
女医の目論見通りアリスの免疫は遺伝していたのだ
約束していたヘリ操縦士のところに向かいドイルはもういないと伝える
ヘリ操縦士は悩むがドイルの遺志を汲み取り子供を助けることにする

ヘリから崩壊していくロンドンを見つめて海を越えるタミーとアンディ
そして時系列は28日後に飛びパリのエッフェル塔を背景に走り回る感染者たち

ウイルスが海を超えてきた経緯はわからないが普通に考えれば保菌者のタミーからなんらかの経緯で感染したのだろうか?
ロンドンでは誰一人残らず焼き払われているのでそうとしか考えられないが

なんとも後味の悪い終わり方であった
この映画の本当に残念なところは脚本に他ならないだろう
先にも書いたが登場人物全員が言ってはなんだがアホなのである

感染者を引き入れる妻アリス
出入り禁止区域に入る子供
それを見逃す軍
感染者を安易に保護して警備もつけない軍
そして感染者発生を想定した対策もガバガバ
挙げ句の果てには皆殺し
数々の兵器を潜り抜けて何故か生きてるドン
感染者の子供に海を渡らせコードレッドが全て無駄に

もうちょっとなんとかならんかったんかいな…と思うことばかりである

ただ本作の見どころもちゃんとあり冒頭の感染者が平穏な生活を破壊し尽くして視聴者に感染者の恐怖を思い知らしめるためにはあまりにも完璧な導入だろう

予算も大幅アップしており焼き尽くされるロンドンの街並みやヘリコプターでのゾンビチョッパーwなど前作よりアクション面では大幅に強化されている

正直家族愛をテーマにしたったのであろうが監督と脚本の腕が足りなかったと言うのが感想に尽きる
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