★1986年に続き2回目の鑑賞★
本作の内容が、実在した人物とほぼ史実をベースにしているというのがまず驚くが、破滅に向かっていくストーリーでありながら、冒頭からの「雨にぬれても」をバックにした女友達との戯れといった緩い空気から、残り2/3ぐらいは追跡団に追われ段々と切羽詰まっていく展開となり、しかしその中でも適度なユーモアを加えて、緩急のつけ方が絶妙。
また、冒頭の昔の時代の印象を与える動画、セピア色の映像からカラーへ。バート・バカラックの音楽に、写真のみによるストーリー語りなど、西部劇の範疇でありながら映画としての魅力にあふれており、映画評に「粋」という評価軸を設定したとしたら、間違いなく最高峰に位置する映画。
本作が初めてのメジャーデビューとなるレッドフォードは、まだハンサム・ガイというよりはタフ・ガイというイメージで、堅物だが少し頭が弱い凄腕ガンマンを演じて、その後のハンサムというイメージとは違う魅力を発散している。
これにすでにスターだったニューマンと、「卒業」でブレークしたキャサリン・ロス、出演者はほぼこの3人のみで進行していく展開ながら全く飽きることはない。
犯罪者だが魅力的、暗い展開でも乾いた明るさを感じさせ、会話にユーモアが漂う。。。そう、これは日本人にはお馴染みのルパン三世&次元大介というアニメ史上最も素敵なバディと一緒。
なんとも魅力的な二人組&ガールフレンド(どちらにも適度な距離を置く様は峰不二子っぽくはある)が作る、まさに映画のマジックというべき雰囲気はこの映画特有のもので、作ろうとして作れるものではない。