くもすけ

ボクサーのくもすけのネタバレレビュー・内容・結末

ボクサー(1970年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ジャック・ジョンソンは肌の色も出自も選ばず、早い話見境なく女を漁った。警官の娘、オーストラリアからの移民、売春婦、などなど。故に肌の色出自に関係なく全方面から攻撃されることになる。映画は舞台戯曲に基づき、人物も単純化されている。今だったらまた違う映画を作ることもできるだろう。

余談だがジョンソンが欧州に遠征した際、モスクワに店を構えるフレデリック・トーマスなる米南部出身の黒人と知り合っている。彼は奴隷の父の元に生まれながら、身一つでモスクワにショー劇場を構えた傑物。結局試合は実現しなかったが、黒人差別のないモスクワ(かわりにユダヤ系差別はある)でショー劇場を持つ彼にジョンソンが何をか感じただろうことは想像に難くない。尤もトーマスとて革命により店を失い悲惨な末路を遂げることになるのだが