健一

太陽の帝国の健一のレビュー・感想・評価

太陽の帝国(1987年製作の映画)
5.0
先日『スピルバーグの子どもたち』という番組を見て感動した。
この番組は スピルバーグの作品を見て映画監督になった人。「レイダース」を見て考古学者になった人。「E.T.」「未知との遭遇」を見てNASAに勤務してる人。「ジュラシック・パーク」を見て恐竜学者になった人。
そう。つまりスピルバーグの夢を現実にしてしまった人々、いわゆる『スピルバーグの子どもたち』を紹介した番組。(ちなみに「ジョーズ」を見て以来40年以上も海で泳いでいない人もいるらしい)
この番組の中で本作も紹介していたので無性に観たくなった。
という事で自宅にあるDVDにて再鑑賞。

劇場公開時鑑賞済。
当時はまだ『ガキんちょ』だったので本作の素晴らしさを理解出来なかったと思う。
今回3度目の再鑑賞でしたが 見れば見るほど素晴らしい作品。
歳を重ねて観ると感じるところもひとしお。

当時のスピルバーグ作品としては珍しく ノーファンタジー の超真面目な作品。
だからなのか🇺🇸では全くヒットしなかった。しかし🇯🇵では『そうは言ってもスピルバーグ作品』、日本人キャストも多数出演しているし 戦時中の日本兵も描いていた為 大ヒットを記録!
なんと🇺🇸の興行収入おも上回るヒットを飛ばした。

第二次世界大戦中の上海。
両親とはぐれた少年が 蘇州の強制収容所に送られるが 両親との再会を果たすため懸命に生き残る事を誓う。

今となっては少年時代のクリスチャン・ベール、無名時代のベン・スティラーが出演している事が話題となってしまう作品。
ベールはオスカー俳優、ベンは 俳優兼監督 となり大成功を収め まさに『スピルバーグの子どもたち』ですね!

オープニングで少年聖歌隊が唄うウェールズ語の子守唄『Suo Gan』で完全に心奪われる。
なんと素晴らしい響き 鳥肌が立つ。
ファンタジー要素なしの真面目な作品とは言え 20世紀最大の悲劇 第二次大戦を 終始『裕福な』又『裕福だった』少年の目線から描かれているのが なんともスピルバーグらしく叙情的。
その為 派手な戦闘シーン 銃撃戦などのグロい演出はほぼ無く 当時🇺🇸で熱狂的なブームだった『ベトナム戦争物』のような作品ではない為 🇺🇸ではコケたのだろう。
本作は日本人にはとても 沁みる 作品。
日本人もちゃんと描かれていて少年と飛行隊の日本兵達が敬礼を交わし合うシーンは一生忘れない。

当時まだ理解出来ていなかったとは言え本作を劇場で観れた事を誇りに思う。
本当に素晴らしい作品。心からオススメ!


劇場公開時
1988年 5月8日 12:50〜
丸の内ルーブル
💺470
客入り 満席 立見 大行列。
16列 - 20番 指定席2500円

当時のチケット。まだ残ってました(笑)。
前の年の'87年10月にオープンした
丸の内ルーブル。この時始めて訪れました。
あの シャンデリア には本当に感動した。
まだ学生だったのにお小遣いを使い果たして指定席で見ました。
健一

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