マーくんパパ

太陽の帝国のマーくんパパのレビュー・感想・評価

太陽の帝国(1987年製作の映画)
3.7
スピルバーグがアカデミー賞狙いに行ったけど獲れなかった映画⁈ 治外法権の上海租界地で裕福に育った英国少年ジェイミーが日本軍進駐で両親と別れ別れになり捕虜収容所での暮らしで逞しく生き抜く術を覚えていく成長譚ストーリー。それ以外の深いテーマがあるのかスピルバーグが敢えてこの題材に挑んだ意味が分からず消化不良のまま観終わった。日本軍を徹底的に敵視する訳でもなく零戦をこよなく愛する少年、赤い夕陽(日の丸を象徴)と零戦シルエットの美しい映像、収容所内の若年特攻隊員とも仲良くなり、神風特攻隊員の出陣式には敬礼を捧げる。反戦映画でもなく何を表現したかったのか分からなくなる。疎開地の階級格差渦巻く街の雑然とした風景、岡の向こうに突然開ける日本軍布陣の様子、イギリス疎開地から没収した家具調度品が打ち捨てられたスタジアムetc印象的ショットは多数あり映画美としては映えるが…。山田隆夫出演を見落として再度巻き戻しジェイミーに小突かれるトラック運転手役を確認する羽目になりました。