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不沈のモリー・ブラウンのみおこしのレビュー・感想・評価

不沈のモリー・ブラウン(1963年製作の映画)
3.9
タイタニック号の生存者としても知られる伝説のソーシャライト、モリー・ブラウンの半生をデビー・レイノルズ主演で描いたミュージカル大作。最近DVDが日本で発売されたようで、念願の鑑賞!
(ちなみに名作『タイタニック』ではキャシー・ベイツがこの役でした!)

コロラド川で拾われた少女モリー・トビンは、男勝りで快活な女性へと成長。金持ちになりたいという一心で鉱山の町レッドヴィルに旅立ち、そこで貧しくも心優しい鉱山夫ジョニーと出会って結婚する。なかなか豊かな生活は送れず絶望した矢先、思いがけず金鉱を発掘して大金持ちになり、上流社交界に仲間入りするのだが…。

最高でした!ミュージカル好きの方、デビー・レイノルズ好きは必見!
私生児としての出自を乗り越え、人格者として後世にも名を残すことになった彼女の人生をどこまでもポジティブに描いた素敵な作品でした。
海からモリーが『桃太郎』ばりに流れて来る衝撃的なオープニングに始まり(笑)色鮮やかで豪華絢爛な衣装やセット、体全身を使ったアクロバティックなダンスの数々など、見ごたえたっぷりなシーンの連続であっという間に鑑賞終了。超ボーイッシュな爆弾娘のモリーの、まるでジェットコースターのような波乱の人生。正直どこまでが実話か何とも言えない部分もあるのですが、気合と根性で上流社会をのし上がっていくその姿はとってもカッコいい!デビーは本当にチャーミングだけど、こういうトムボーイ的なキャラクターも似合うんですね。終始可愛かった~!!
さらに、ラブストーリーとしても素敵。当初は玉の輿を狙っていたけれど、等身大の彼女を受け止めてくれる素敵な旦那さん・ジョニーとの出会いを通して、モリーの心境にも変化が…。ちょっぴり頼りないけれど、モリーにぞっこんな雰囲気丸出しなジョニーが愛おしかったです。演じるハーヴ・プレスネルはものすごいイケメンな俳優さんというわけではないけれど、バリトンの歌声が魅力的でした。

楽曲もハズレなし。映画の序盤で男性たちを前にモリーが高らかに歌う" Belly Up to the Bar, Boys"、そして貴族たちから異質な存在としてイジメや嫌がらせに合う中でも楽しく舞踏会でモリーが華麗なステップを披露する"He's My Friend"が特にお気に入り。
この時代のミュージカルでは、『雨に唄えば』『カラミティ・ジェーン』『掠奪された七人の花嫁』が個人的御三家なのですが、この3作品に共通する”明るさ”と”豪華絢爛さ”が本作にもあって、またお気に入りの1本が増えました!
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