何の前情報も入れないという意味では正解なサスペンスでありミステリーな物語。
深夜の森をずぶ濡れになって走る男。
警察に捕えられた男には殺人容疑が掛けられる。署長が詰め寄るが、男は混乱していて何か思い出せない。
だが断片的に男の記憶は甦っていく。
似ている作品としては「ライアー」や「アンダー・サスピション」などが思い浮かぶ。
しかし最後の余韻には職業上の苦悩が垣間見える。丁度大雨から晴れて日差しが垣間見えたような。
ジェラール・ドバルデューとロマン・ポランスキーという組み合わせが、こうもはまるとは思わなかった。
監督がジュゼッペ・トルナトーレというのも意外だったし、カフカ的な不条理世界が構築されているのも見事だった。