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トリスタンとイゾルデのカントのレビュー・感想・評価

トリスタンとイゾルデ(2006年製作の映画)
4.3
報われないと知りつつも愛を貫き、さらなる「大いなる愛」に殉じたトリスタンの生き様に感服する!
リドリー・スコット制作総指揮の中世史劇は本当にレベルが高い。

トリスタンと言えば「アーサー王と円卓の騎士団」の騎士の1人としても有名。BBCの人気ドラマ「魔術師マーリン」(全65話)では、アーサー王、ランスロット卿、魔術師マーリンと共に貿易商トリスタン&イゾルデとして出てました。
…なので本来「トリスタンとイゾルデ」は、アーサー王伝説のスピンオフ物語の1つなんだけど、その壮絶な愛のドラマは、シェークスピアが「ロミオとジュリエット」を執筆した際に参考にしたオマージュ作品と言うのも納得です。

イギリス暗黒時代(5世紀)
ローマ帝国の支配が終わり群雄割拠のイギリス。アイルランドの冷酷王ドナカーは、イギリス侵略を目論んでいた。

強国アイルランドに対抗する為、今こそイギリスは1つにならなければ!
少年トリスタンの父は、諸侯に同盟を持ちかけるがアイルランド軍の襲撃に合う。トリスタンも敵兵に襲われるが間一髪で助かった。
トリスタンの命を救ったのはコーンウォール、ドア城のマーク王。行く当てのないトリスタンはマーク王の庇護の元で育っていく。

アイルランド女王の娘イゾルデ。
薬草や秘薬に詳しい彼女だが、父ドナカー王より、武将モーホルトの妻となるよう言い渡される。

モーホルトはコーンウォール鎮圧へ出撃。迎え打つトリスタンはモーホルトを撃破するものの、剣の毒で絶命してしまう。

トリスタンの遺体は舟に乗せられ海葬。しかしトリスタンは生きていた!舟はアイルランドの浜辺へ漂着。それを見つけたイゾルデと乳母ブラーニャ。
お互いに名乗り合わず、困ってる目の前の人を助ける優しいイゾルデ。

舟にはモーホルトの剣が残されていた。アイルランド兵の探索の手が伸びる。イギリス人が見つかったら殺されてしまう。
必死でトリスタンを匿うイゾルデ。
2人は互いの名前を知らないままアイルランドの海で別れるが、運命が再び2人を巡り合わせる……。

イギリスの騎士トリスタン。
敵国アイルランドの姫君イゾルデ。
慈悲のマーク王と、冷酷なドナカー王。
2人の運命と、2つの国の命運は?

ラブ・ストーリー主体と言うより、騎士トリスタンの半生を描いていて、とても面白い!
騎士道の精神は、マーク王、トリスタンの主従関係を超えて描かれる。武士道とは、また違う型で昇華していて、とても素晴らしい!
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