りょうた

台風クラブのりょうたのネタバレレビュー・内容・結末

台風クラブ(1985年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながら初めての相米慎二だった。子供の社会であると同時に、圧倒的な大人の社会でもある学校という場所を舞台にした作品は、抑圧される子供たちという描き方が一般的だろう。今作はそんな大人たちを台風によって追い出した。大人がいなくなった今、蓋が外れたように狂気的なエネルギーを放出する。子供はのびやかに、そして狂ったように踊り、遊び、歌う(もしも明日が)!そして台風が作り出した「距離」に喜びながらも、最後にはその「距離」によって苦しむ。台風によるサスペンスと言えるだろう。
いくつもの物語を同時に進行しながらも、こういった作品に感じる表層的な印象は感じない。どの物語の線もそれぞれはっきりしていて、尚且つ息が詰まるほど素晴らしい。これを100分以内に収めているのだから。それぞれの物語の線が解決に向かうのではなく(起承転)結局は「宙吊り」の状態にある。
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