新撰組からの視点でなく、彼等が我が物顔で闊歩する当時の京を、“普通の庶民”の視点から描く、という着想が素晴らしい。軍隊がのさばる製作当時の暗く不安な世相を、かなり露骨に重ね合わせて表現している内容に…
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池田屋事件の直前、近所の旅籠屋の大原屋一家と逗留する絵師滝川を巡るお話。「山中貞雄に捧ぐ」が悲しい。
簡潔かつ的確に描き出されていく大原屋の面々。笠碁みたいな親父に職人の彦太郎、滝川に惚れるお咲に…
池田屋事件を目撃する絵描きは戦争で山中貞雄を失った鳴滝組の映画人のこと。
戦中を懸命に生きた若者を幕末の若者に投影した、青春映画。前進座総出演で演じている。
三条大橋近くの京都文化博物館で観たので…
山中貞夫の遺稿を映画化。昭和14年作。
幕末の京都、池田屋を望む旅籠・大原屋の家族を通じて騒動前夜が描かれる。市井にとっては新選組も勤王も関係無く世の中の騒然に巻き込まれ乍ら生きるのみ。
戦雲濃…