有名なテーマ曲だけはずいぶん昔から知ってましたが今回初見です。
CS録画ですが、3時間半もある長尺作品だとは知りませんでした。
ユダヤ人のイスラエル建国への道のりを描いたベストセラー小説の映画化で、公開当時に大ヒットした歴史大作であり娯楽大作です。
第二次大戦後、ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちはかつての故郷パレスチナに向かおうとしますが、アラブとの衝突を恐れたイギリス軍に捕らえられ、キプロス島の難民キャンプに送られてしまいます。
そこでユダヤ人の軍事組織のリーダー(ポール・ニューマン)が指揮するユダヤ人脱出作戦が地中海で決行されます。
原題はモーゼの「出エジプト記」にかけて“Exodus”。
監督はユダヤ人のオットー・プレミンジャー(『ローラ殺人事件』『帰らざる河』)。
音楽もユダヤ系のアーネスト・ゴールド(『渚にて』『戦争のはらわた』)。
主演のポール・ニューマン(当時33歳)も父親がハンガリー系ユダヤ人なんだそうです。
もう一人の主役はアメリカ人看護婦のエヴァ・マリー・セイント(当時34歳)
出演は他にラルフ・リチャードソン、リー・J・コッブ、ヒュー・グリフィスなど。
サル・ミネオ(当時21歳)が本作でゴールデン・グローブ助演男優賞受賞しています。
イギリスの二枚舌とも三枚舌とも言われる政策のせいでユダヤとアラブの対立を激化させたくだりは意外にあっさりとしか描かれておらず、娯楽寄りとはいえ、その後に勃発する中東戦争の火種を残して終わるため決して明るいラストではありません。
ポール・ニューマンの初期の大ヒット作であり出世作とも言われますが、当のニューマンはプレミンジャー監督とは折り合いが悪かったせいか、それほどパッとしない印象で、本人も本作については語りたがらなかったとか。
脚本は当時赤狩りのハリウッド追放から復活を遂げたダルトン・トランボですが、そこそこ見応えはあるものの、ちょっと長すぎるし間延びした感じなのは監督と脚本のどちらのせいなんでしょう。