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栄光への脱出のkazu1961のレビュー・感想・評価

栄光への脱出(1960年製作の映画)
4.0
▪️Title : 「栄光への脱出」
Original Title :「Exodus」
▪️Release Date:1961/07/14
▪️Production Country:アメリカ
🏆Main Awards :第33回アカデミー賞 作曲賞
第18回ゴールデングローブ賞 助演男優賞
🕰Running Time:209分
▪️Appreciation Record :2020-272 再鑑賞
▪️My Review
約3時間半の長尺。どうしてこの時代のスペクタルはこれだけ長いのでしょう!?
しかしながら、やはりダルトン・トランボの脚本。『スパルタカス』同様にとても見応えのある歴史大作でした。
内容は、イスラエル建国のあらましをイスラエル側の立場から描いたスペクタル超大作です。邦題の『栄光への脱出』という意味をかんがえたときに、この建国が泥沼の中東紛争などへ進展してしまったことを考えると本当にそうだったのかとも思ってしまいます。しかしながらやはり民族・宗教紛争はやっぱり根が深く、どうしても最後にはやるせなさが残ってしまいます。そこをダルトン脚本の映画として割り切って観るならばそのスケール感を堪能する価値がある作品です。
そして、主人公の勇敢な指導者アリを演じたポール・ニューマンがその演技で絶賛を博し、スターの地位を確立したのもこの作品です。トランボの脚本とアーネスト・ゴールドの壮大な音楽が見どころの作品ですね。
本作、レオン・ユリスの執筆した1958年発表のアメリカ合衆国のベストセラー小説の映画化で、
1947年にホロコースト生存者らを乗せてフランスからイギリス委任統治領パレスチナに向かおうとしてイギリス軍に制圧された不法移民船エクソダス号をモデルとした物語です。Exodusは「大挙した脱出」という意味ですが、「出エジプト記」にもなぞらえてもいるんですね。映画では、イスラエルの建国を叙事詩的に描いた映画でありって、原作小説にある反イギリス・反アラブ描写は抑えられているものの、イスラエル独立にあたっての内戦やユダヤ人・アラブ人双方の描き方に対して多くの論争があるようです。またアメリカにおけるイスラエル支持の世論形成にも多くの影響を与えた作品でもあるんですね。
主題歌の「Exodus」((Ferrante & Teicher)。邦題は「栄光への脱出のテーマ」)もインストゥルメンタル曲としては、大ヒットとなりました。
物語は。。。
ホロコーストを生き延びたヨーロッパのユダヤ人多数がパレスチナへ移民しようとしましたが、そのほとんどはイギリスが設けた移民枠を超過した不法移民で、多くがイギリス軍に捕まりキプロス島の難民キャンプに送られていました。難民キャンプで看護婦として働いていたアメリカ人のヒロインの前に、エクソダスと名付けた貨物船を手に入れて彼らを極秘のうちにパレスチナへ送ろうとするユダヤ人で元兵士の主人公が登場します。船に乗り込んだ移民たちはイギリス軍との緊迫した駆け引きの末にパレスチナへとたどり着きますが、イスラエル建国への道のりは厳しく、次から次へと困難な状況が訪れます。果たして彼らは「栄光への脱出」を実現できるだろうか。。。

▪️Overview
ユダヤ人国家イスラエルの建国物語とでもいうべき70ミリ作品。レオン・ユーリスの原作小説をオットープレミンジャーが製作・監督。シナリオを書いたのは「スパルタカス」のダルトン・トランボ。音楽はアーネスト・ゴールド。出演は、ポール・ニューマン 、エヴァ・マリー・セイント 、ラルフ・リチャードソン 、リー・J・コッブ ほか。
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