半兵衛

非情都市の半兵衛のレビュー・感想・評価

非情都市(1960年製作の映画)
3.3
主人公が非情な記者だったりヒロインが司葉子だったり主人公が無惨な顛末を迎えるという点など鈴木英夫監督が石原慎太郎を主役にして失敗した『危険な英雄』のリベンジを挑んだような作品で、素人で緊張のせいか常に瞬きしていた慎太郎に比べるとさすがに三橋達也は欲しい情報を入手するためならどんな手も使うダーティーな新聞記者を見事に演じてドラマを大いに盛り上げる。

鈴木英夫監督のシャープでドライな演出も決まっており、スマートすぎて後味が残らないのが欠点ではあるがそれなりの面白さを持つ佳作に。

ちなみに主人公が情報を掴むため警察に追われるヤクザを匿うエピソードが出てくるが、実は原作は新聞記者が実際に経験した話を元にしておりこの逸話も安藤昇が横井英樹を襲撃した事件が元ネタになっているそう(だとすると平田昭彦演じるボスっぽいインテリヤクザが安藤昇になるのか)。まさか東宝と東映やくざ映画の世界観がこんなところで繋がるとは…。
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