いがらっしー

喪の仕事のいがらっしーのレビュー・感想・評価

喪の仕事(1991年製作の映画)
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若い主人公の友人『望月』が亡くなり、その友人が残して来たものに振り回され、それまで平和だった筈の日々が崩れ始める…

美しい構図と美しいキャストばかり。伏線があちこちに散りばめられ、脚本が文学的でモノローグが多用されてるからついつい集中して観いってしまった。
この作品で幾つかの主演男優賞を受賞されている、若かりし頃の永瀬正敏さんの演技は必見だし、江波杏子さんや中村嘉葎雄さん、田中邦衛さん等も出演されていて、それだけでも貴重な映像だし、この時代ならではの葬儀のシーンが、妙に生々しく、こちらまで辛くなってしまった。
一周忌法要の最中に雨が降って来るシーンが素晴らしい。
海辺の公衆電話をかけるラストシーンは、友人『望月』と話したかったのか?
人は亡くなると、無になるわけではなく、誰かの中に生前の思い出と共に棲み続ける。友人は死によって、自分の心の底に潜む感情と向き合う時間をくれたのかもしれない…
この頃、携帯電話が突然切れたりする。
亡き父とは携帯電話でよく話したから、今でも電話したら繋がりそう…
偶然にも亡き父の命日に鑑賞。
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