坂口安吾の原作。幻の名作ではない。由緒正しい名作です。岩下志麻と若山富三郎の異色の組み合わせで映画化されていました。
妖しく美しい桜満開の森、愛する故の果てしなき孤独と恐怖。
「桜の森の満開の時に通ると気が変になると言ってたじゃないか」
「いいんだよ、今日みたいに優しいオマエがいて、一緒に山へ帰れる嬉しい日だから 桜の森だって怖くないさ」
さて 果たして その結末や如何に‥‥
私は、この原作をYouTubeの朗読で初めて味わいました。そして何度も何度も繰り返し聴き、聴きながら寝て 夢を見ました。その後、地元の図書館で本を借りて初めて読んだ次第です。
そしてその後、@aaaakiko さんのレビューで 映画化されているのを知り こうしてやっとDVDで鑑賞できました。
思い入れのある作品です。
平安絵巻と贅沢な貴族、貧困に喘ぐ乞食たち。都に出てきて 人斬りを繰り返し生首を持ち帰る山賊 若山富三郎。その生首を愛撫し弄ぶ 自称 妻 岩下志麻。なんともグロテスクな絵ですが、飄々と撮っている感じでした。
小説のイメージとそんなに変わらない世界を映画で再現されているように思えました。