あるぱか2世

クレイマー、クレイマーのあるぱか2世のレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
4.0
当時のアメリカ社会において「神話」のように信じられてきた核家族。
しかしそれは、父母がそれぞれの「役割」をひたすらに遂行するという、双方の犠牲の上に成り立つものにほかならなかった。

この事実を描き出した本作は、アメリカ社会の家族観に多大な影響をもたらしたといわれている。

妻&母&娘の役割からの解放と自立を求めたジョアンナ(メリル・ストリープ)の行動に目が行きがちだが、夫&父&企業戦士という役割から距離をとろうとするテッド(ダスティン・ホフマン)の奮闘もまた涙を誘う。

あんだけ家事も育児もできそうもないひとが、18ヶ月間乗り越えたってすごいことだよ…。

もともとふたりは友人、そして恋人として輝いていたのだと思う。
でも子どもがいるからこそ、模範的な夫婦をめざすあまりに破綻してしまったのかもしれない。

時代背景を意識しつつ、『マリッジ・ストーリー』(2019)と比較しながら鑑賞するのもアリかも。
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