自分が子を持つ親父だからこそ感じるものがあった。
嫁が家から出て行き今まで仕事一本がむしゃらにやってきた不器用な夫がいざ急に家事に育児に強制参加。
子供は母親と長い時間いる分、何があっても価値観は母親が強く担ってる。ママじゃなきゃいやなんだよね。
親父はこういうときって本当に何もかもダメで、フレンチトーストの作り方、フライパンの場所、柔軟剤、ボディソープまで息子の方が詳しい始末。
自分が会社では有能と思っていても家庭に帰れば、子供は母親と父親を比べてくる、そう言ったドメスティックな孤独感はフラストレーションとても強いと思う。
ただそんな奇妙な生活もしばらく不安定ながら続けていくと信頼関係もでき、そういった微笑ましい父息子のシーンがとても柔らかで良かった。母を失った息子の心情も痛いほど伝わってくる。(俺も幼少期に母を亡くしてハンストした事ありますわ)
帰宅直後から仕事の話ばかりで嫁の話や表情を無視する。家庭を顧みないサラリーマン父親の典型みたいな場面あったけど既視感あって刺さったなあ。実際この手の喧嘩もしたことあるから。考え方や感じ方のすり合わせや、妥協点は時間かけるべき。
あと冒頭の嫁が子を寝かしつけた後にボストンバッグに服詰めるシーンで肩に掛かってた子供の汚れた服を、逡巡してから大事そうにカバンの1番上に入れるシーンがすごく好きだったな。愛を感じた。