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太陽に灼かれてのmatsuのレビュー・感想・評価

太陽に灼かれて(1994年製作の映画)
4.2
ニキータ・ミハルコフ監督・脚本・主演作品

ウクライナ侵攻を一向にやめようとしないロシアの映画(映画内容はソ連時代)
[ロシア・フランスの合作]

※ロシアを非難するにせよ、ロシアの歴史を知る事は重要かと思い鑑賞

意外にも情緒溢れる、かなりの傑作映画でした!! 流れてくる情緒的な音楽も非常に良かった
(カンヌ国際映画祭グランプリ、アカデミー賞外国語映画賞を獲得)

スターリン時代のソ連、それもスターリンが独裁政権を強固にするために大粛清を行っていた時代

戦地の英雄(権力者)が国の独裁者によって失墜させられるストーリー



※ネタバレ含みます

ロシア革命の英雄コトフ大佐は美人妻のマルーシャ、かわいい娘のナージャと共に大きな家で親類・召使いらと幸せに暮らしていた
※ナージャは監督本人の実の娘でした。非常に仕草のかわいい女の子です。自分映画史上一番かわいい子役かもしれない

ある日、10年ぶりにドミトリがコトフの家にやって来た(数日間泊まりに来た)

ドミトリはマルーシャの元恋人

コトフの家の者は総じてドミトリを歓迎する、ナージャもドミトリになつく

コトフだけはドミトリがマルーシャを奪いに来たのか、自分を陥れるために来たのか不審に思う

10年前、ドミトリはコトフにより街を出て戦地に行くように命じられていた

マルーシャは恋人がいなくなり自殺未遂まで起こしていた

コトフはマルーシャが精神的に衰弱していた時期に猛アタックして結婚した

結果、ドミトリはコトフによってマルーシャを奪われたも同然だった


コトフとマルーシャは明らかに怪しいドミトリと数日間過ごす

ドミトリがピアノ演奏し皆で踊りだすような明るい雰囲気の中に、殺伐とした雰囲気があった



ドミトリはソ連の秘密警察の一員でスターリンの命令(反乱を起こす可能性のある者は殺害せよ)もあり、コトフ大佐を仲間と共にモスクワに連行する

※その途中で抵抗されたため傷めつける

コトフを痛めつけた頃、スターリンの顔を描いた布を下げた気球が突然、空に浮かぶ

国の最高権力者(大殺戮者)が現れ、ドミトリは敬礼する



時が経ち、ドミトリは望まぬ最悪の仕事(元恋人の幸せな家族をぶち壊した)罪悪感から手首を深く切り自殺する 

エンドロールでコトフは銃殺され、マルーシャは禁錮10年の刑(刑務所で死亡)、娘のナージャも逮捕された、と出る


上記のような恐ろしい話で終わるのだが、意外にも一番印象的だったのはコトフ大佐と娘ナージャがボートで楽しそうに語り合っていた場面、コトフは大切な娘を抱きしめて本当に幸せそうだった
(その数日後には一家は悲惨な目に合うのだが)


幸せな一家の突然の転落、悲惨な結末に見終わったあとしばらく放心状態だった


時代は第二次世界大戦前のこととは言え、ロシアでは少しでも国家権力者に刃向かう(可能性のある)者は粛清すべし、が昔から当たり前だったんですね~

ちなみにスターリンは世界虐殺者ランキング2位(2000万人虐殺)
※1位は毛沢東(6000万)、ヒトラーは3位(1100万)
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