hagy

ポー川のひかりのhagyのネタバレレビュー・内容・結末

ポー川のひかり(2006年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

私たちは何のために生きているのだろう、とふと疑問に思うことがあるでしょう。
それは永遠と抜け道の見えないような、いわゆる人生のどん底にいたり、あるいは来たる真っ暗な将来を想起したときかもしれません。
または変化のない淡々とした日々にうんざりしきったとき…


将来を約束された有能な大学教授でありながらも、この映画の主人公もまた、同じような疑問に苛まれていました。そんな彼が身の上の一切を捨て、川へ赴きます。


この作品は、イタリアで有名な聖フランチェスコの話に沿った物語です。
知識の象徴である世界最古のボロボロボローニャ大学で全ての書物が磔にされる、200%の芸術性を伴うあのショッキングな場面は、世俗を捨てた教授の心情をありありと描いています。
書物がもたらす知識よりも、肉体をもって生きる
そうして教授は、キリストとなり、教会を修復して、使徒とともに川のほとりで生活し始めることになります。
あれやこれやありますが、最終的にポー川のひかり、すなわち生への希望を見出したのでした。チャンチャン


人間の生を静かに見つめ続けるエルマンノオルミ監督がキリストを描いた作品で、宗教に疎いの関係なく観やすいですよ
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