くぅー

銀色の雨のくぅーのレビュー・感想・評価

銀色の雨(2009年製作の映画)
3.6
鳥取県米子市、母親と二人で暮らす男子高校生は陸上部絡みで新聞配達をし、優等生に輝いた事もあったが、迷える年頃ゆえ、つい新聞店でトラブルを起こし・・・思い立って東京へ向かうべく米子駅に行くも、少年を弟の様に可愛がってたホステスと偶然会い、そのまま彼女の家に転がり込む。
久しぶりに会った彼女を女性として見てしまう少年だったが、翌日にはひょんなきっかけから、元プロボクサーも彼女の家に転がり込み、奇妙な三人の共同生活となる・・・が、その男は訳有りで地元を飛び出した過去があり、やがて男の過去と亡くなった少年の父親がリングするのだった...

あの新田次郎の短編小説が元ネタらしいが、鈴井監督が大胆に裏社会を絡める設定に変え、珍しく感情描写重視の正攻法で撮っていて・・・人生の雨宿りをする人々のドラマを描きたかったらしく、因縁や家族の絆を通して、自分の過去を自分なりにきっちり洗い流して、晴れ晴れと次のステップへとの明解なメッセージが込められてます。

そう、かなりの感動作にもなりうる素材ですが、そこはあえて避けてる感もあり、その控え目な感じが中途半端とも取れるんですが・・・そこは親しみ易さに重きを置いたと解釈し、優しい視線でご覧あれ。

にしても、このタイトルはてっきり北海道の設定かと思いきや、この設定変えも心境地か・・・って、ベタに米子市に行ってみたくなりましたよ。

俳優陣では、中村獅童・・・別格の味のある演技で、彼あっての作品になってますね。
若手の賀来賢人もなかなかの熱演ぶりを披露し、前田亜季も久しぶりにいい味を出してます。
さらには、濱田マリに品川徹に佐々木すみ江らの芸達者なサポートから、もちろんNACSの面々も顔を出し、竹原慎二や輪島功一らのカメオ出演にもニヤリ。
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