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キング 罪の王のodyssのレビュー・感想・評価

キング 罪の王(2005年製作の映画)
3.3
【よく分からない部分が残る】

ジェームズ・マーシュ監督作品。 

軍隊を除隊した青年(ガエル・ガルシア・ベルナル)は、育ててくれた母をすでに亡くしており、まだ見ぬ父に会いに行く。父は彼の母とは結婚しないままに付き合い、その後別の女性との間に家庭を作り、一男一女の父となっていた。説教師をしている父は、現在の家庭を守ろうとして青年に近づくなと厳命する。

しかし青年は同じ町内でピザ屋に勤め、まだ高校生である父の娘(つまり青年からすれば異母妹)に近づく。何も知らぬ彼女は青年とつきあい始める。やがて・・・というような話で、

話自体は面白く退屈しないのだが、青年の意図が奈辺にあるのかがよく分からない。映画の宣伝では復讐となっているが、どうもそうは思われないのだ。説教師である父の偽善性への批判はありそうだが、それだけに終わる映画ではない。けれども、終わらないで何なのかというと、よく分からない。 

青年の狂気、或いはカミュの『異邦人』のような理由なき何とやらなのか・・・。
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