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イン・ザ・カットの10000lyfhのレビュー・感想・評価

イン・ザ・カット(2003年製作の映画)
3.0
ニューヨーク、女性が被害者となる連続猟奇殺人を背景に、担当刑事と関係を持ちつつ、様々な男性に欲望の対象としてみられる、知的で内向的なアラサー白人女性。都市で生活する比較的若い女性が経験する現実を、女性目線でありのままに描いた、告発的な側面も持つ作品。一方で、刑事を含め、言動が粗野な男性に惹かれる主人公の女性には、性的に複雑な面がありそう。マスターベーションやテレフォンセックスも含め、女性の性の一つのあり方をリアルに描いているが、女性監督ゆえの説得力(男性監督でも同内容の映画は作れるだろうが、内包するメッセージの受け取られ方が変わってしまう)。20世紀風不協和音の入るケセラセラをバックにアウトフォーカス映像の連なるオープニングが象徴的。揺れの多い手持ちカメラは、これまでスタイリッシュな映像美で知られていたカンピオンにとって、本気の勝負であることを伺わせる。観ていて不安を煽られ、不快感が募る映画で、好きとは言いづらいが、テーマ的にそうならざるを得ないか
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