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軒下のならずものみたいにのharunomaのレビュー・感想・評価

軒下のならずものみたいに(2003年製作の映画)
4.5
軒下のならずものみたいに
撮影 たむらまさき

まだ早い朝、部屋で寝ている秋彦、起き上がり外に出る。自転車に乗って坂道を颯爽と下り、自販機で飲み物を買い、多摩川河川敷へ。河川敷でぼーっとしている秋彦。川の流れ、草木、鴨...。
散歩から帰ってドアを開けようとするが、お祭りかお経か、(不明)なにやら賑やかに、しかし不気味にも聞こえる歌が、秋彦を止める。やがて部屋に入ると女はまだベッドに寝ている。秋彦ももぐりこむ。(ベッドから出ていたかも知れない)「最近、叫び声が聞こえる」のだと秋彦は言う。
女が起きて服を着ている。
秋彦は、寝たままだが女に催促されて起きる。すぐにワープロをだして小説か何かを書いている。低い脚のテーブルの上には原稿をいれる封筒。
秋彦は女の元彼であった。(女はこんなことは続けられないとかなんとか言っていたかもしれない。)部屋を出て行こうとする女。ドア付近まで近づいたが引き返し、ワープロを打っている秋彦に抱きつく。秋彦は一瞬戸惑ったが、すぐに女をキスのできる体勢にしようとする。女はそれには応じず、そそくさと出て行く。

女は駅のホームにいる。女を見下ろしていたカメラはパンし、女を見ているホームレス風の怪しい男を写す。男はごみか何かを拾う、そして笑う。男は何者か?

秋彦は、部屋で男とギターのセッションをしている。一曲歌い終わる。男との会話。
男は、人に「かわいそう」と言ったこともなく、また言われたこともないと言う。秋彦は自分はしょっちゅう言われていると言う。
男は、秋彦と作曲した曲を世に広めるべく、手始めに路上ライブをしようと持ちかける。
秋彦は薄笑いをし、俺はそういうのはしたくないと言う。男は秋彦の夢を共有しない態度と元彼との秋彦の微妙な関係に憤りとかわいそうな奴だと見下した表情。
男はそれなら自分一人で路上ライブをやると言う

夜、代官山アドレス。男が一人路上ライブをやっている。人だかりも多少はある。
ライブが終わり、隅でにやにやしながら立っている秋彦。
「いや、すごっすよ、~さんは」とかなんとか言いながら、相変わらず人を小馬鹿にしたような態度。男は、二千円を秋彦に渡す。次回は二人でやりましょうと言う。秋彦は最初は躊躇しながらも、その金を受け取る。


秋彦がスーパー(奥沢図書館前)から出てくる。謎の男が後ろからついて行く。

部屋。玉ねぎを切っている秋彦に電話が入る。
女が会社のトイレ(始め鏡に映った女の鏡像から女へのパン)から電話。
秋彦は、涙声で受け答えをする。
女は、今日は泊まりに行けないと言う。

夕方、謎の男が秋彦の玄関へ来る。謎の男の独白的な秋彦との会話。謎の男は「自分は二階に住んでいる。自分はある宗教団体に属しているが、今日は勧誘とかそういうのではない。脳に障害があり、叫んでしまうが、頭を壁に打ち立てると直る。いつもいつも騒がしいので、近所からはクレームが耐えない。自分は、もうすぐここを出ようと思う。新宿で飲み屋をやっている別れた妻がいて、彼女が寄りを戻そう的なことを言っているので、ここを出たら、彼女の家に行くつもりだ。しかし、きっかけがない。引いてはお願いがある。大家があなたの家に来たら、二階の男がうるさいと言って欲しい。そうすれば大家が自分に出て行くよう催促してくるだろうから、心置きなく出て行ける。どうだろう?やってくれる?
ああ、あなた様はなんという素晴らしい若者だろうか!将来有望ですなぁ...!」

秋彦、猛烈な勢いでカレーを食いまくる。
(編集・音楽)あらゆる角度から撮影。残像。クロースアップ(顔、目、肌)。ロック。
エレキギターのノイズ。エフェクトを掛けて色を変えた河(多摩川)のシーン、カモメの飛翔。カレーライス、残像の重なり。

女から電話。彼氏の部屋にいる女の小さな声。秋彦をなじったり、いじけたり...。今から行くと言う。迎えに行くと秋彦。
秋彦は電話を切る。また掛かってくる。途中で切らないでよと女。

東京の早朝、昆虫の行列のようなバスが並ぶバス車庫(都営渋谷)の画。
秋彦は小説の原稿を入れた封筒を抱えバスを待つ。
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